11月5日(月)に、聖光会の4園のスタッフが集まり、第2回目の職員研修に行かせていただきました。
『文京区立お茶の水女子大学こども園』は、子育て支援の推進に向けて文京区とお茶の水大学が協働で設立したこども園です。園児は0歳から5歳までの93名の定員で、そのうち33名が1号認定(幼稚園)のお子さまです。
冒頭、こども園園長であり同大学の教授でもある宮里暁美先生が、1枚の写真を見せてくれながらこんなお話をしてくれました。
「こども園の玄関で保育者と子どもたちが、からくり時計の音に合わせて嬉しそうに笑って、踊っているこの写真、とっても幸せそうな風景だと思いませんか。私たちは、子どもの心が動いた瞬間、子どもの動き出しを支えることを大切にしていきたいのです」
写真に添えられた短い詩を読みながら、私たち職員もこの写真のような「しあわせな時間」を、聖光会の保育園でたくさん作っていきたいと感じた瞬間でした。
『こども園』はお茶の水女子大学のキャンパス内に併設されているため、子どもたちは広いキャンパス内をお散歩することができます。訪れたこの日も、お天気が良く1歳児のお子さまが保育者と共にお散歩に出かけていたので、一緒に見学させてもらいました。
キャンパスの一角にある雑木林の広場には、赤い屋根の小さなお家があったり、こども園の畑があったりと、まるで第二の園庭のような環境で、お子さまたちが思い思いに、伸び伸びと遊んでいる様子を見学させていただきました。
園舎に戻り、園内も見学させていただきました。
0歳児さんのお部屋は、「食べる・寝る・遊ぶ」エリアを分けて、子どもたち個々の生活時間を尊重した環境作りを行っていました。カラフルな色の積み木などがある一方で、建具や家具に使用する色はベージュや白などトーンを統一することで、子どもたちが落ち着いて遊べる空間を作っていました。
温かみのある木のおもちゃや、布の手作りおもちゃが並び、手指の動きや感触、音や光など、五感の発達を促す工夫を学ばせていただきました。
「見立て遊び」が発達していく2歳児さんのお部屋は、ひとつのおもちゃがいろいろなものに変化する工夫がなされていました。
ままごと遊びに使う同じ素材のひもでも、わざと長さの違うものを用意し、長短の違いに気づくきっかけ作りをしたり、マジックテープのついた細長い布は、それだけを使ってベルトにもなれば、おにぎりの海苔にもなる_。何気ないおもちゃにも、保育者の深い観察から生みだされた、発達上の理由、そのおもちゃの存在理由が隠されているのが印象的でした。
幼児組クラスでは、はさみやセロテープ、のり、ペンなどが自由に手に取って使える「製作コーナー」が設置されていました。子どもたちが自由に製作あそびを展開できるよう、年齢に応じた用具を揃え、保育者が見守りながら援助しているとのことでした。目をみはるような大きな「マンモス」は、5歳児さんがマンモス展に影響され、作ってみたい!とあそびの中から発展し製作したものだとか。
子どものやりたい!という気持ちに丁寧に寄り添い、自主性を尊重しながら保育を行っている姿が非常に印象的でした。この研修での学びを各職員が園に持ち帰り、日々の保育に活かしていきたいと思います。